2
3
「先ほど地球と交信ができた。明日、救援に来るという話だ」
機関士と医師。残された2人は同時に船の酸素計を見つめる。
「残量は少ない。もって1人分。いや、それも危ういな」
一時沈黙が訪れる。
ふと、医師が腰のポーチから錠剤を2錠取出した。
「1つは安らかに苦痛から逃れられる宇宙用緊急避難装置。
もう1つは眠れない夜に使う薬。
どちらかを選ぶ。公平にくじとしよう」
2人は1錠ずつ選び、同時に呑みこんだ。
「効果は、どれくらいで現れる?」
「両方ともすぐさ。ほら、もう目がぼやけてきたろう」
「そうだな……」機関士は沈黙した。
医師は黙ってそれを見届ける。
そして、ポーチから『本物の〈眠れない仕事がある夜の薬〉』を取り出し飲みこんだ。
翌日、救助隊は昏睡状態の乗員1名を発見した。
他に見つかったのは外部ハッチが開いた跡だけだった。
機関士と医師。残された2人は同時に船の酸素計を見つめる。
「残量は少ない。もって1人分。いや、それも危ういな」
一時沈黙が訪れる。
ふと、医師が腰のポーチから錠剤を2錠取出した。
「1つは安らかに苦痛から逃れられる宇宙用緊急避難装置。
もう1つは眠れない夜に使う薬。
どちらかを選ぶ。公平にくじとしよう」
2人は1錠ずつ選び、同時に呑みこんだ。
「効果は、どれくらいで現れる?」
「両方ともすぐさ。ほら、もう目がぼやけてきたろう」
「そうだな……」機関士は沈黙した。
医師は黙ってそれを見届ける。
そして、ポーチから『本物の〈眠れない仕事がある夜の薬〉』を取り出し飲みこんだ。
翌日、救助隊は昏睡状態の乗員1名を発見した。
他に見つかったのは外部ハッチが開いた跡だけだった。
SF
公開:19/11/18 21:50
ルイス足永(アシナガ)と申します。
普段はニコニコ静画に画像付きの作品を転がしています。
こちらにも載せれそうな作品の投稿をしたいと思います。
twitter:https://twitter.com/otoshibumi57
ニコニコ静画:http://seiga.nicovideo.jp/clip/2497487
ログインするとコメントを投稿できます