谷速の季節

古いものが亡くなり高さを持って新しく産まれ代わる。
時代の変化が速い。
神無月。
文化会館はヒカリエ、最近ではスクランブルスクエアが出現し230ｍの威圧感が風格となり更なるビル出没を予感させる。
ギラギラ光る太陽の光が彼らを照らそうとも光の当たらない地下空間が堪らない。
地球防衛軍のような魔窟の東横線の地下に終電後も意味なく入り浸る。
201×年神無月×日
見たことのないドアが開いている。
地球防衛基地の入り口か。
悪いと知りつつもこの時世、管理の甘さに漬け込み侵入する。
新たな鉄扉も出現。
暗いが開いている。更に侵入。
降りても下りても底が見えない。
微かに水の音が聞こえる。
半日歩いたがゴールが見えず翌日の楽しみと思い戻り始めた。
そう決めた瞬間大量の水が真上から押し寄せて俺は水没。
死没。
自然の変化は時代の変化よりも速いのだとあの世で知った渋い谷の出来事だった。