相合傘
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下校時間。雨が降っていた。下駄箱でクラスメートの女子が外をうらめしそうに見ている。
「よかったら駅まで入っていかない?」
相合傘でいつものようにスマートに会話を盛り上げ、駅に着く。
「それじゃまたね、相川くん」
僕はヘッドセットを外し、様々なことを疑似体験できる〝スプラッシュ〟の再生機器を終了した。
最近ハマっている疑似恋愛できるソフトで、〈出会い編〉を何度もレンタルしている。
渋谷のTSUTAYAでレンタルするところを偶然見られてしまって教室で、現実で頑張れ、と笑い者にされた。
月城さんも笑っていて悲しかった。
下校時間。また雨が降っていた。
緊張しつつも彼女に傘を差し出す。
歴史の先生が毎日同じ服だという話、タピオカの店が増えすぎているという話で盛り上がった。
スプラッシュという仮想が現実で戦う勇気をくれた。
「それじゃまたね、相川くん」
「じゃあね、月城さん」
「よかったら駅まで入っていかない?」
相合傘でいつものようにスマートに会話を盛り上げ、駅に着く。
「それじゃまたね、相川くん」
僕はヘッドセットを外し、様々なことを疑似体験できる〝スプラッシュ〟の再生機器を終了した。
最近ハマっている疑似恋愛できるソフトで、〈出会い編〉を何度もレンタルしている。
渋谷のTSUTAYAでレンタルするところを偶然見られてしまって教室で、現実で頑張れ、と笑い者にされた。
月城さんも笑っていて悲しかった。
下校時間。また雨が降っていた。
緊張しつつも彼女に傘を差し出す。
歴史の先生が毎日同じ服だという話、タピオカの店が増えすぎているという話で盛り上がった。
スプラッシュという仮想が現実で戦う勇気をくれた。
「それじゃまたね、相川くん」
「じゃあね、月城さん」
SF
公開:19/11/17 22:08
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