嘘
0
3
目的地に到着しスマホをかざす。時空カメラというアプリで日時を設定してカメラを向けると過去の様子が表示される。
「昔、ある女性と渋谷のTSUTAYAの前に入っていた映画館で待ち合わせしていたが来なかった。携帯はない。伝言板というものがあって何か書かれてないか調べてほしい」
祖父が苦手だ。嘘をつくとなぜかいつもばれる。
病室の祖父の、難しいかな、と言った気弱な表情がむかついた。
『これ以上会っても、想いに応えられそうありません』
伝言板にはそう記されていた。
「どうだった?」
心を決め、告げる。
「急用で遅れました。今度いつ会うか決めたいです、って書いてあったよ」
「そうか。来てたんだなあ」目を細める。「ありがとう」
帰宅すると母が怒っている。
「冷蔵庫のプリン食べたでしょ」
「食べてないよ」
「嘘。あんた嘘つくとき右目がぴくぴくって動くのよ」
「昔、ある女性と渋谷のTSUTAYAの前に入っていた映画館で待ち合わせしていたが来なかった。携帯はない。伝言板というものがあって何か書かれてないか調べてほしい」
祖父が苦手だ。嘘をつくとなぜかいつもばれる。
病室の祖父の、難しいかな、と言った気弱な表情がむかついた。
『これ以上会っても、想いに応えられそうありません』
伝言板にはそう記されていた。
「どうだった?」
心を決め、告げる。
「急用で遅れました。今度いつ会うか決めたいです、って書いてあったよ」
「そうか。来てたんだなあ」目を細める。「ありがとう」
帰宅すると母が怒っている。
「冷蔵庫のプリン食べたでしょ」
「食べてないよ」
「嘘。あんた嘘つくとき右目がぴくぴくって動くのよ」
青春
公開:19/11/17 21:55
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます