視線にドキリ。
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視線がぶつかり、目を逸らす午前7時の山手線。
私には、気になっている人がいる。
その人は、毎日同じ電車の彼。黒縁眼鏡がトレードマークで、いつも気怠げにしている。だけど、手には文庫本。そのギャップがとてつもなく好きだ。
出会ったころ、彼は半袖ワイシャツを着ていた。だけど、最近は冬が近づいてきたから、白チェックのマフラーをしている。結構長い間、彼のことを想ってるな…。
…なんて、考えていたら、向かいの席の彼が、文庫本から私のほうに視線をずらした。
ドキリ。
目が合う刹那。
ある感情が湧き上がった。
彼を見ていると思い出してしまう。
ずっと好きだったのに、私じゃない女と付き合いだした彼を。
そんな彼の白チェックのマフラーを、彼の鮮血で染めた日を。
「次は、渋谷、渋谷、お出口は左側です」
“あぁ、染めたいな。
白チェックのマフラー”
私には、気になっている人がいる。
その人は、毎日同じ電車の彼。黒縁眼鏡がトレードマークで、いつも気怠げにしている。だけど、手には文庫本。そのギャップがとてつもなく好きだ。
出会ったころ、彼は半袖ワイシャツを着ていた。だけど、最近は冬が近づいてきたから、白チェックのマフラーをしている。結構長い間、彼のことを想ってるな…。
…なんて、考えていたら、向かいの席の彼が、文庫本から私のほうに視線をずらした。
ドキリ。
目が合う刹那。
ある感情が湧き上がった。
彼を見ていると思い出してしまう。
ずっと好きだったのに、私じゃない女と付き合いだした彼を。
そんな彼の白チェックのマフラーを、彼の鮮血で染めた日を。
「次は、渋谷、渋谷、お出口は左側です」
“あぁ、染めたいな。
白チェックのマフラー”
その他
公開:19/11/17 21:46
更新:19/11/17 22:03
更新:19/11/17 22:03
サイコパス
というジャンルが欲しい笑
またサイコパス女を
生み出してしまいました…
渋谷ショートショートコンテスト
書くこと、読むことが大好きな社会人3年生。
青空に浮かぶ白い雲のように、のんびり紡いでいます。
・プチコン「新生活」 優秀賞『また、ふたりで』
・ショートショートコンテスト「節目」 入賞『涯灯』
note https://note.com/sumire_ssg
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