ネイチャーランド

日帰りの遊べる行楽地として平成に人気だった、あるテーマパーク。
長らく不入りだったが、代が替わり、若社長となって、施設の刷新を始めた。

この若社長、変り者で知られている。
「新しい施設は“インスタ映え”する景色を売り物にしよう！」と宣言し、小山や畑や小川の整備を始めた。

レクリエーション用の遊具や施設は、一切、作ろうとしない。
ただ川沿いの道などは綺麗に整備し、また海の見える丘には、休息できる小公園を作る。
区域内の農家の古い納屋などは、ワザとそのまま放置し、野生生物が住み易くしたりした。

この“ネイチャーランド”。最初の１～２年は「ただの田舎か」と、客足は無かった。
しかし徐々に鳥や虫、野生動物が増え、それを目当てに人が訪れはじめた。

散歩の小径にネズミが出たりすると、ミッキーマウス並みの人気で、記念撮影を撮ろうと夢中になる、などなど。
今では、そこそこの人気エリアに育っている。