かわいい　つながり

「あの、初めまして。私、ルリです。ツイッターの」
「フォロワーリスト見てもいいですか？」
「この子可愛いですよね。すごく会いたくて…」

カウンター越しに
美少女が店主に話しかけている。

グレーの瞳を装備した彼女は
店の中と外で性格が違う。

「今日、もう売り切れですかね」

土曜の14:00 ランチの有名なカフェの前。
裏返された看板を指す私。

それを何も言わず一瞥した少女は
さっきが嘘のように晴れた表情だ。

隣の席では「有名人」以外を排斥した
世界の話が繰り広げられている。

重要キーワードは2つ
「可愛い」と「繋がり」

ふんわりとした話に
相槌を打ち 時にくすくす笑う彼女。
私と同い年くらいだろう。

きっと彼女は
紛れもない今を生きている。

その10年後を想像していたら
お洒落なランチプレートが空になっていた。

美味しかったはずだけど
どんな味か忘れてしまった。