渋夜
2
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夢を見たんだ。渋谷の街を歩く夢。夜だった。不思議と街中は真っ暗で何も見えない。
駅から出るとハチ公像がお出迎え。
僕の足元でしきりにしっぽを振っている。え? 動いてる!? そんなことを考えているうちに、ハチ公はどこかに走り出した。体は白く光っていて、どこにいるかはすぐに分かった。
追いかけていくと、スクランブル交差点の真ん中でわんわん吠えだした。近づく。
ぐにゃり。横断歩道がうねる。それは次第に空に昇っていって一匹の大蛇になった。ハチ公が大蛇にしがみつく。巨大なしましまは、どんどん空に向かって伸びていく。僕も置いていかれないように飛び乗る。
空の上は風が冷たい。肺のなかの空気が一瞬で入れ替わるのが分かった。
上空から街を見下ろす。
瞬間、僕らよりもっと上の方から流れ星が幾つも降り注ぐ。
それらはぱあっと広がって街を色付けていく。その光は幾重にも重なって人々の暮らしをそっと照らしていった。
駅から出るとハチ公像がお出迎え。
僕の足元でしきりにしっぽを振っている。え? 動いてる!? そんなことを考えているうちに、ハチ公はどこかに走り出した。体は白く光っていて、どこにいるかはすぐに分かった。
追いかけていくと、スクランブル交差点の真ん中でわんわん吠えだした。近づく。
ぐにゃり。横断歩道がうねる。それは次第に空に昇っていって一匹の大蛇になった。ハチ公が大蛇にしがみつく。巨大なしましまは、どんどん空に向かって伸びていく。僕も置いていかれないように飛び乗る。
空の上は風が冷たい。肺のなかの空気が一瞬で入れ替わるのが分かった。
上空から街を見下ろす。
瞬間、僕らよりもっと上の方から流れ星が幾つも降り注ぐ。
それらはぱあっと広がって街を色付けていく。その光は幾重にも重なって人々の暮らしをそっと照らしていった。
ファンタジー
公開:19/11/17 23:46
たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!
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