はじまり

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渋谷は乗り換えで使う程度の通学経路でしか無く、足をとめたことが無かった。イヤホンを装着し、好きなロックを聴きながら、人混みと喧騒をやり過ごした。
私の通う音楽学校の友達が今度渋谷で遊ぼうと誘ってきた。左腕全体にタトゥーを入れているアイツ。B系ファッションに身を包み少し強面だが性格は優しい。あまり乗り気でなかったが、承諾した。
アイツとタワレコ、TSUTAYAに行き、好きなCDを買ってスタバで交換することになった。これはデートだと気づき始めたのが遅かった。スタバで恥ずかしくなってきた私はフラペチーノを急いで飲み干す。
「お前こういうの好きそうだよな」目の前のB系男子はチョコレートケーキを食べながら私の前に包装したCDを置いた。
家に帰り、交換したCDを聴いた。まさかのブライアン・イーノのアンビエント。わたしのイメージって。笑ってしまったがそれからアンビエントが好きになった。渋谷も。アイツも。
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公開:19/11/17 13:26
更新:19/11/17 13:33

夜野 るこ

  夜野 るこ と申します。
(よるの)

皆さんの心に残るようなお話を書くことが目標です。よろしくお願いします。

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