ふわふわ恋こい
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洗濯バサミでとめたカーテンの隙間から夏の日差しが容赦なくキョースケの白い部屋の中に差し込んできた。最近ろくな夢ばかりしか見ていない。キョースケの会社は渋谷にあり定時に帰れたためしなどない。その日も残業で既に日付が変わっていた。渋谷駅前のツタヤで借りたDVDを返却するためにツタヤに寄らなければならなかった。返却してぼーとしながらエスカレートを下っていると地下二階まできてしまった。見た事もないフロアに七色の綿アメが売っている。タピオカの次はこれかと思いマーケティングの参考のために買ってみた。早速一口食べてみると口の中にふわりと甘さが広がると共に淡いピンク色の花びらが舞い散る世界が現れる。二口食べると会社の憧れの先輩が目の前に現れた。三口食べると先輩からのあつい抱擁。四口食べるとあついキス。キョースケは無我夢中で綿アメを頬張り続けた。翌朝、会社の地下の階段で倒れているキョー助が発見された。
その他
公開:19/11/17 19:37
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