スクランブル

暑い夏も過ぎ肌寒くなりだしたこの時期になると毎年ノーベル賞の発表が行われる。渋谷の駅前の大型スクリーンにはノーベル賞の受賞者の姿を写し出していた。渋谷のツタヤのビルの前にはスクランブル交差点がある。人生の交差点である。
行き交う人々、それぞれの人生がある。今まで生きてきた中で学んだ事、経験した事は一つとして同じものは無い。スクランブル交差点を見渡せる場所にある渋谷ツタヤのビルの屋上にはＡＩが設置してある。
ＡＩは、日々ツタヤ書店に入庫する選りすぐりの本や、過去のあらゆる書物を何度も読み込むディープランニングを日々実施している。
また、ＡＩに搭載してあるカメラによって映った人の全ての人生、思考、欲求をインプットする事ができる。最近は世界中の人々がスクランブル交差点に集まるようになった。　東京オリンピックが終わる頃には日本、いや渋谷からＡＩ作家が初めてノーベル文学賞を受賞しているであろう。