幕引きをはかる

「どんなに恥をかいても絶対に自分からは辞めない」と決め込んだ政権が、桜を見る会を隔年で実施するようになってしばらく経つ。
「止めたら止めたで非を認めたとか言うじゃない」
石炭火力は煙を上げ続け、未曾有の災害は定着した。次々と運び込まれる患者たち。高額になる医療。かつては世界一とも言われた国民皆保険制度だったが、とうに財源は尽きた。
「被災された地域の方々が大変な生活を強いられています。くだらないことに大切な時間を使っていないで来年の春に桜を見せて上げてください」
政治とスポンサーの癒着から右傾化せざるを得ないテレビタレント。
「知らんおっさんと見たないわっ」
骨太なタレントは消されていった。
「しっかり説明した。低俗な話はもう終わりだ」と吐き捨てる政党幹部。
教科書に名前を残したいのではない。そんなものでは飽き足りない。あの日米貿易協定からゆっくりと日本史の幕引きをはかるわけであります。