マイホームと思惑

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「良い家を見つけたから買っちゃった」
仕事から帰ってきた夫が開口一番そう言った。
はぁ?家?何でそんな大事な事勝手に決めるの?何で私に相談してくれないの?
「だって…言ったら絶対反対されると思ったから…」
まったくもう…どんな家を買ったの?
「忍者屋敷」
はい?
「忍者屋敷を買った。戸建て庭付きで百万円」
空いた口が塞がらなかった。忍者屋敷買ったの?
「うん。場所もここから近くていいところだったよ」
写真を見せてもらった。
ああ…ここか…私はその場所に覚えがある。というか、ここ祖父の別荘だ。
実は私、くノ一である。私に与えられた任務は夫である彼を守る事。
どうせならと私は兼ねてより好意を寄せていた彼と結婚する事にした。
結婚報告をしに行った時の両親の驚いた顔、最高だったわ。
…そう言う事ね。
今日、私が夫の護衛を出来なかったのは産婦人科に行ったからである。
これは孫に会いたい祖父の策略か…
公開:19/11/16 18:51

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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