渋谷架空物語

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「妄想しよう。例えばそうだな。高いビルが沢山あって、街行く人は皆オシャレ。若者で溢れている街」
「そんなものがあって堪るか」
「だから妄想だって。流行の最先端をいっていて、大きなファッションビルが建っているんだよ。女子高生はタピオカばっかり飲んでいる」
「タピオカ?あんな蛙の卵のどこがいいんだ?」
「うるさいな。妄想なんだから好きにさせろ。あと、僕の好物を悪く言うな」
「はいはい。それで、他には?」
「そうだなぁ。でっかい交差点があって……あと、何かオシャレ」
「そればっかり」
「あーもう、いいだろ!妄想なんだから!」
「そんな素っ頓狂な街あって堪るか。大体若者ばっかりって。人口の約9割が老人のこの世界で、一ヶ所に固まりすぎだろ」
「だから、妄想だって」
SF
公開:19/11/16 18:34

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