わしわい！

その青年が歩いていると、道端で老人が苦しそうに座り込んでいた。青年は老人のもとに駆け寄った。
「大丈夫ですか」
「暑くて少し気分が悪くなったのです」
「冷たい飲み物でも買ってきましょう」
「それはありがたい」
青年は駆け足で自販機を探した。とその時、若い女とぶつかった。
「す、すみません」
「僕の方こそ。おや？顔色がよくありませんね」
「就職がうまくいかなくて……私、何をやってもダメなんです」
「よければ相談に乗りますよ。そうだ！行きつけのバーならマスターが元気をくれますよ。さあ行きましょう！」
青年は女を連れ、バーへ向かった。とその時、取り引き先から電話があった。
「もしもし、これはこれは本村様。えっ！弊社の新製品をお試しに！すぐに参ります！」
青年はタクシーを止め、取り引き先の会社へ向かった。
「あれ？そういえば、今日は妻の誕生日じゃないか！運転手さん、近くのデパートまでお願いします」