モヤイ製作所

渋谷は一朝一夕
街の変化のスピードが速い。栄枯盛衰、無念にも消えていったモノ達の怨念は昨今ならハロウィン群衆等の悪鬼と姿変え、この地に災いをもたらす。この怨霊鎮魂の為モヤイ像を作製するのがモヤイ製作所である。社員は渋谷で生き残ったモノ達で構成され、起源はこの地に昔あった渋谷川鎮魂の駅前モヤイ像建立とされている。今現在も長年渋谷を支えたモノが消えると巨匠ハチ公先生の手彫りモヤイ像が建立される。
申し遅れました、私の名はクレープ。ブームという恐ろしい一過性流行り病としてこの地に飛来し、消えそうで消えずに渋谷の地に永住。短命で消えたモノ達は私のような新人が塩化ビニル樹脂製でモヤイを製作する。これをガチャに入れて弔う「流し雛方式」だ。これは本来ならば2年で渋谷の地がモヤイでいっぱいになるのを防ぐ画期的な方法である。
しかし悪鬼の数は減らない。また私のような流行り病で消えるモノが後を絶たないのだ。