ヒットマン

俺は流離のヒットマン。日本全国あてのない旅をしている。
俺はいつでも黒のスーツをびしっと着こなしている。スーツは夏は暑く冬は寒い。ファッションは我慢だと誰かが言った。まさにその通りだ。
俺は太陽真っ盛りの真夏の公園に呼び出された。涼しい顔を装っているが暑くてたまらない。さっさと仕事を終わらせるとしよう。
俺はガトリング砲を手に持つと掃射した。公園に沸く害虫を一掃してやった。
全ての弾を打ち終えると恐る恐る子供が聞いて来た。「ねぇ、もう公園で遊んでいい？」
勿論、と答えてやった。子供達は嬉しそうに代々木公園に走り出した。
依頼人である子供の親が俺に感謝する。これでもうデング熱を媒介する蚊の心配はない。
俺の蚊取リング砲で病気の元となる害虫は全滅した。
まあ、どうしても心配ならこの蚊取り線香をくれてやろう。俺も愛用してる最高の一品だ。
俺は流離のヒットマン。次はあんたの街に行くかもしれないぜ。