ケチャップ
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殺人事件の通報を受けた新米刑事は現場へ急行したが、死体はなく地面に赤いものが広がっているだけだった。血が得意とは言えないが、顔を近づける。
ちらっと通報者に目を向けると、申し訳なさそうな顔をしていた。間違いない、これはケチャップだ。遠目ではたしかに血だまりに見えなくもない。もしも自分が刑事ではなかったとしたら、同じ勘違いをしていたのかもしれない。
「見間違いですね。誰かがここでぶちまけちゃったんでしょう。もう帰っていただいて結構ですよ」
そう言葉を掛けると、安堵の表情で立ち去った。
先輩刑事が現場に到着し、ケチャップであることや発見者について報告をしたが、目は鋭いままだ。不思議に思っていると、彼はそっと血だまりを指で掬っていく。そして現れたのはどす黒い赤──しまった、これを隠すためにぶちまけたのか。そして彼が犯人──
先輩に怒られながらも緊急配備の連絡を本部に入れる。
ちらっと通報者に目を向けると、申し訳なさそうな顔をしていた。間違いない、これはケチャップだ。遠目ではたしかに血だまりに見えなくもない。もしも自分が刑事ではなかったとしたら、同じ勘違いをしていたのかもしれない。
「見間違いですね。誰かがここでぶちまけちゃったんでしょう。もう帰っていただいて結構ですよ」
そう言葉を掛けると、安堵の表情で立ち去った。
先輩刑事が現場に到着し、ケチャップであることや発見者について報告をしたが、目は鋭いままだ。不思議に思っていると、彼はそっと血だまりを指で掬っていく。そして現れたのはどす黒い赤──しまった、これを隠すためにぶちまけたのか。そして彼が犯人──
先輩に怒られながらも緊急配備の連絡を本部に入れる。
ミステリー・推理
公開:19/11/16 12:02
書いたり描いたりすることが好き。
ただし気分屋でムラがあるからいつも書いたりしているとは限らない。
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