実業団からプロへ

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「ノーベル文学賞を受賞なさった駒場真樹さんは、三年前まで、実業団に所属なさっていたのでしたね」
「高校時代はパッとしなかった私を受け入れてくれたH製薬に感謝しています。コーチ以下、サポートしてくださった皆様のお陰です。今回の受賞が、本当の意味での恩返しになったと思っています」
「一昨年のドラフト三位指名。実業団作家からのプロ転向に不安はありませんでしたか?」
「ありました。しかし作中での薬物描写に関する制限の無い環境に身を置きたいという念願も強まっていました」
「今回の受賞作は、ジェネリック薬にまつわる愛憎劇がモチーフでしたね。非常にリアリステックだと評判でした」
「ええ。実業団時代に常用していたクスリがどうしても手に入らなくなったものですから」
「えっと。最後に、高校生の創作を50万字までに抑える、という高文連の決定を、どうお考えですか?」
「絶対不可能です」
「ありがとうございました」
その他
公開:19/11/16 11:39
更新:19/11/16 12:12

新出既出

星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。

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