渋谷に国会議事堂

老人ばかりの国会に若者の空気を吹き込もうと、国会議事堂が渋谷に移転することになった。
議員たちは日々触れる若者たちの気を引こうと、様々なパフォーマンスを繰り広げるようになった。渋谷周辺でインスタ映えを求めたり、タピオカミルクティーを飲みながらセンター街を練り歩いたりした。
さらにはギャル風の女性議員やチャラキャラを売りにする若手男性議員まで登場し、まさに国会はカオスとなりつつあった。
このままではいけないとベテラン議員が中心となり、巻き返し策として渋谷に高齢者を集めることにした。
代々木公園でマスターズ大会や年輪ピックを開催し、さらにはセンター街の半分を高齢者向けの商店街、シルバー街に変更した。
いまや渋谷は国会そっちのけで世代闘争の最前線となったが、それを乗りこえ、国会移転は世代間融合の成功例としてたたえられるようになった。
最初の目的が忘れ去られることは、いつの世にもあることで。