おしゃべりな牛乳

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深夜。なかなか寝付けないのでホットミルクを作ることに。牛乳を鍋に入れて火にかける。温められてブクブクと表面にあぶくが出来た。カップに注ぐとそのあぶくがパクパクし始めた。ホットミルクは甲高い声で喋りだした。
「俺、温められてる時に宇宙を感じた!」
「宇宙?」
「ビッグバン的な?全ての始まり的な?生命の誕生的な?」
ギャル男な口調のホットミルク、興奮していた。間違って沸騰させたせいかもしれない。
「カルシウム、お前だけのものじゃなさそうだぞ。おめでとう!」
理解できない言葉を残してパクパクしていたあぶくが消えた。
幻覚ならいいのだが、この牛乳は生乳。つまり生きている。うるさいやつに当たったな……と思いながらホットミルクを飲み干すと少し吐き気がした。おかしいな……
翌日、病院に行くと妊娠が発覚した。
牛乳よ、なぜお前が私より先に生命を感じたのだ。悔しい思いでお腹の子のために、また牛乳を買った。
ファンタジー
公開:19/11/14 22:45

夜野 るこ

  夜野 るこ と申します。
(よるの)

皆さんの心に残るようなお話を書くことが目標です。よろしくお願いします。

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