御曹司とお見合い

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私は御曹司とお見合いをすることになった。
両家の親は料亭で挨拶を済ませると、二人を部屋に残した。
「お母様と仲がよろしいんですのね」
私が話しかけると、御曹司は屈託なく笑った。
「ご心配には及びませんよ。大丈夫です! 僕はマザコンじゃないって、ママが言ってました」
ん?
「あ、あの……ご趣味は?」
「ママの料理を食べることが僕の趣味、もとい生き甲斐ですかねー」
ハハハと笑い、彼は気もそぞろに庭を眺めて眼を細めた。
「何か、お飲みになりますか?」
「……え?」
すでに私の存在を忘れている。
「あの、好きなお飲物は?」
「んー、ママのドモホルンリンクルかな!」
「ママのためなら死ねますか?」
「もちろんさ。というか、もう三回死んでるよ。僕は四体目のクローンさ」
どうやら御曹司のママは、理想的な「息子」を遺伝子操作で生み出したようだ。
「ママ、どこー? ねえ、ママぁ!」
私は早々に縁談を断った。
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公開:20/01/26 08:52
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最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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