雪うさぎ

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辺り一面に雪が積もって真っ白になった景色を「銀世界」と呼ぶよね。この銀世界には、雪男と雪女、そして雪ん子が住んでいると言い伝えられている。
好奇心旺盛な雪ん子は、友だちの雪うさぎを連れて銀世界から抜け出し、人間界へ遊びに行くことがあるらしい。
日本の神話では、うさぎを使いとする神様が多く、島根県の出雲神話に出てくる因幡の白兎も大国主神と関係があることは有名だよね。雪うさぎも雪の神様の使いとされているんだ。
銀世界にいる雪うさぎは、雪をうさぎの形にして固めたものに外見はそっくりだけれど、生きているうさぎと同じようにぴょんぴょん跳ねるし、赤い目をきょろきょろ動かして、すごく茶目っ気があるみたい。
実は、散歩をしている雪ん子と雪うさぎに偶然出会って遊んだ人間界の子供は、風邪など引かず、すくすくと元気に育つと言われていて、人間界のお母さんたちが挙って雪ん子と雪うさぎを探し回る風習が北国にあるんだ。
ファンタジー
公開:20/01/26 06:30
銀世界 雪男 雪女 雪ん子 雪うさぎ 神様 出雲神話 因幡の白兎 大国主神 北国

SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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