ドリアード(3)

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夏菜子から大量の毒液が吹き出すのを服を盾にして受け止める。
並の人間なら骸骨になっていたところだ。

「着替え持ってきたよ」いつの間にか育美が後ろに控えていた。
「助かる」
「それにしても夏菜子ちゃんをせめて埋葬してあげないと……」
「無理だ。下手に近づくと毒にやられる」

結局祈りだけ捧げ、遺体はそのままにするしかなかった。
「早く、俺たちだけでも『F-ZONE』にたどり着かないと」
「ああ、それにしても風邪でも引いたか?」
「大丈夫。ちょっと何か飲み込んだみたいで」

当初はヘリで行く予定だったが、軍事基地も襲われ
人間はおろか、車両、兵器に至るまで蔦が絡まるありさまで徒歩で逃げ出すしかなかった。
一年前は俺たちはただの学生で平和を謳歌していたはずが今や化け物だ。

だが、俺たちにはやらねばならない事がある。それは……。

突然足元からでた蔦に不意を憑かれ、体の自由を奪われた。
SF
公開:20/01/25 22:13

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
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