ヒーロー
4
6
ドッカーン
観客の歓声が爆発。球場を揺らした。
甲子園のヒーローが、プロの試合、初打席でホームランを放ったのだ。打った瞬間に、誰もがホームランと分かる打球だった。しかし青年は、全速力でベース間を走る。
「全速力だ。初めてのプロで、照れているのでしょう。初々しい。微笑ましいですねぇ」
実況は青年を称えた。
堪えきれず、こぶしを握りしめ、涙を帽子で隠す友人達が、客席にいた。高校野球部のチームメイトだ。全員が前日、ホームランを打った青年とキャッチボールをした。その時に受けたボールの感触を一生、忘れる事はないだろう。手のひらに穴が開いても、おかしくない衝撃だった。
「俺、腕、癌なんだ。明日の試合が終わったら、治療に専念する」
ドッカーン
真実を知らない観客の歓声が、再び爆発した。甲子園のヒーローが、プロの試合で、ホームベースを今、踏んだのだ。
「日本の野球の未来は、明るい!」
実況が叫んだ。
観客の歓声が爆発。球場を揺らした。
甲子園のヒーローが、プロの試合、初打席でホームランを放ったのだ。打った瞬間に、誰もがホームランと分かる打球だった。しかし青年は、全速力でベース間を走る。
「全速力だ。初めてのプロで、照れているのでしょう。初々しい。微笑ましいですねぇ」
実況は青年を称えた。
堪えきれず、こぶしを握りしめ、涙を帽子で隠す友人達が、客席にいた。高校野球部のチームメイトだ。全員が前日、ホームランを打った青年とキャッチボールをした。その時に受けたボールの感触を一生、忘れる事はないだろう。手のひらに穴が開いても、おかしくない衝撃だった。
「俺、腕、癌なんだ。明日の試合が終わったら、治療に専念する」
ドッカーン
真実を知らない観客の歓声が、再び爆発した。甲子園のヒーローが、プロの試合で、ホームベースを今、踏んだのだ。
「日本の野球の未来は、明るい!」
実況が叫んだ。
公開:20/01/27 08:54
スクー
手の中のクレーター
よろしくお願いします。
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