ドリアード（７）

異変は「F-ZONE」まであと一日というところで起こった。
育美が体調を崩し、倒れたのだ。
そういえば何か飲み込んだとか言ってたな……。
とても動かせる状態ではなく、口もきけないようで途方に暮れる。
ありあわせのもので寝床を用意するのがせいぜいだった。
「？」なんだこの紙は？
育美が紙を必死で指差している。内容を見て俺は驚愕した。
走り書きで書かれた文章には

「カナコちゃんの種が体内からおそって来る。　このままではカナコちゃんのニンギョウにされる。タスケテ」
そして簡単な地図の中央に大きく☓印がついている。

どうやら種に侵されながらも能力で夏菜子の場所を特定し、メッセージを残してくれたらしい。
「ありがとう。育美、あとは俺にまかせてくれ」
育美の頭を撫でると苦しげな顔が少し和らいだ。

夏菜子から育美を治す方法を教えてもらわねばならない。そうしなければ最悪、人の世は終わる。