くだらないエスカレーター

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そこは私が初めて降りる駅だった。
改札を抜けると、正面に三つのエスカレーターが見えた。
左から順に表示を見ると、
「のぼりエスカレーター」
「くだりエスカレーター」
「くだらないエスカレーター」
とある。
私は下に降りたかったので、中央へ乗ろうと思ったが、右の「くだらないエスカレーター」の表示がどうしても気になった。
「くだらない」とは、何がどうくだらないのだろうか?
結局私は好奇心に負け、右のエスカレーターに足を乗せてしまった。
風船を持った小さな男の子が、そんな私を不思議そうな目で見つめていた。
それは一見すると、ただ下降するだけのエスカレーターのようだった。
坦々と下へと体が運ばれ、私が心の片隅で期待をしていたような「くだらないこと」は何も起きなかった。
降りた先には、風船を持った小さな男の子がいた。彼は不思議そうに私の姿を見つめている。
そこは、私がさっきまでいた改札フロアだった。
ファンタジー
公開:20/01/24 21:02
エスカレーター 空間ループ

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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