絡み合う腕

「今の時期の君はとても綺麗だ。いつまでもずっと観ていたい。」

「そんなこと言って、すぐに他に目がいってしまうんでしょ？ わたしなんか地味だもの。」

「いやいや、化粧を落とした君も、なんか清々しいというか、細い魅力があるよ。」

「なに言ってるのかしら。もっと派手なあの子がいるじゃない。華々しい感じで、でもちょっと儚げな。」

「僕は君みたいなのが好きなんだ。」

「あら、なんかお上手ね。でも、あなたみたいなフラフラしてるのは、ちょっと信頼できないかな。流されやすい感じで。」

「それを言われたらどうしようもないね。まあ生来の体質的なものだから自分でもなんともできない。」

「ほら、そうやって開き直る。わたしはもっとどっしりしたのがタイプかな。」

「でも、この気持はホントだから信じて欲しいな。」

「ふーん、考えておくわ。」

ーーー
ここには枝と枝が絡み合う不思議な梅と柳が存在する。