炊きしめたい

今日は今年初めての休日。七日七晩降り続いた雪がやんで、笑っちゃうほどきれいな青空の下を、除雪車がくるより早く私はソリに乗って駅に向かった。始発列車に乗るために早起きをして髪型やメイクをきめた。今日はパルコのある街に行く。ただ歩くだけでいい。今できる精一杯のおしゃれをして、私はパルコのある街に行く。
去年の最初の休みは３月の末だったから、１月に休めるなんて夢のようだ。
駅前には煙草屋が一軒だけあって、私はその壁にソリを立てかけ、線路をくぐる地下道に入った。
エナメルの靴についた雪を踏みはらって誰もいない地下道を歩いていると、ここが冬の底なんだと教わっている感じがする。そしてまた青空。駅舎の屋根の大きなつららでフェンシング。今なら空も飛べるはず。
パルコにはキラキラした人がいっぱいいて、今は炊飯器をバッグにして持ち歩くのが流行っているらしい。
私は五合炊きを買った。
いつか誰かに炊けるはず。