白ずきんちゃん

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グリム童話で有名な『赤ずきん』に「白ずきん」という妹がいることはあまり知られていません。
冬の日、白ずきんちゃんは、おばあさんが風邪を引いたというので、いま話題の白いイチゴを持ってお見舞いへ行くことにしました。
おばあさんの家に到着した白ずきんちゃんが中に入ってみると、おばあさんは布団をかぶって寝込んでいました。
白ずきんちゃんが心配そうに近づくと、急におばあさんの全身に毛が生えてきてオオカミ女に変身したと思った刹那、白ずきんちゃんを一口で飲み込んでしまいました。
満腹になったオオカミ女がぐっすり眠っていると、丸飲みにされた白ずきんちゃんがオオカミ女のお腹の中で、白く冷たい息を吹きかけ、オオカミ女を凍らせました。そして、オオカミ女のお腹の中から先に飲み込まれていたおばあさんとともに白ずきんちゃんが元気よく外へ飛び出してきました。
実は、白ずきんちゃんは雪ん子だったのです。めでたしめでたし。
ファンタジー
公開:20/01/25 06:33
グリム童話 赤ずきん 白ずきん おばあさん 風邪 白いイチゴ オオカミ女 雪ん子

SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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