呪い

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「貴方に呪いをかけてやろう」
そう言って、私の前にアイツがやってきた。
ソレは、私を両親の手からさらうと、遠い地へと降り立った。泣けど、喚けど家族の元には帰してもらえない。
「いいかい?お前はずっとここで暮らすんだよ」
ソレは、ずっと私に付いてきた。どんな時も、どんな場所でも。そうして、時間になれば元居た場所に戻されるのだ。
何年もソイツと暮らしていた。私はソイツとの生活に慣れ始めていた。

しかし、そんな日常は終わりを迎えた。
私の両親と親族たちが私を迎えに来たのだ。
「ああ、会いたかったよ。私たちの坊や」



「さあ、家に帰ろう。儀式を完了させるんだ」
家族たちはアイツを倒すと桑や鉈を持って、こちらに寄ってくる。
あと一歩、近寄られれば終わりだという時に、アイツは最後の力を振り絞り――、

ああ、愛しい幼子よ。
最後に呪いをかけてやろう。
これから先を幸せに生きる、最後のまじないを。
ファンタジー
公開:20/01/25 01:00
更新:20/01/25 00:42
刷り込みの恐ろしさ

Hiro.K( 日本 )

あまり文章を書くのが得意ではないのですが、出来る限り投稿していきたいと思っています。
よろしくお願いします。

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