青を見つめる貴女
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私は家で過ごすのに飽き、海辺にある馴染みのカフェに向かうことにした。
テラスからは、海と空、お店の前の一本の木が良く見えた。何時もの定位置に座ると、私は家から持参した本を読みながら風にあたっていた。
私がふっと顔を上げると、木の下に一人の女性がじっと海を見つめるように立っていた。女性は赤い椿の着物から見える項が白く輝き、涼しげな雰囲気を纏っていた。
私は彼女の背を見つめ続けた。本を片手に店から出ると、私の前には女性の背があった。
私は道を曲がる寸前、彼女の顔を見ると、酷く打ちのめされた気持ちになった。
女性の目から涙がこぼれていた。
涙は海なのか、空なのか、鮮やかに藍く染まっていた。私はそのまま歩を止めることなく家に帰ると、布団をかぶった。心を指先でなぞられた様に、熱く鼓動していた。その日は、どうしようもなくまた彼女の会いたいと思い、眠りについた。
明朝、赤い椿の着物が海に漂っていた。
テラスからは、海と空、お店の前の一本の木が良く見えた。何時もの定位置に座ると、私は家から持参した本を読みながら風にあたっていた。
私がふっと顔を上げると、木の下に一人の女性がじっと海を見つめるように立っていた。女性は赤い椿の着物から見える項が白く輝き、涼しげな雰囲気を纏っていた。
私は彼女の背を見つめ続けた。本を片手に店から出ると、私の前には女性の背があった。
私は道を曲がる寸前、彼女の顔を見ると、酷く打ちのめされた気持ちになった。
女性の目から涙がこぼれていた。
涙は海なのか、空なのか、鮮やかに藍く染まっていた。私はそのまま歩を止めることなく家に帰ると、布団をかぶった。心を指先でなぞられた様に、熱く鼓動していた。その日は、どうしようもなくまた彼女の会いたいと思い、眠りについた。
明朝、赤い椿の着物が海に漂っていた。
その他
公開:20/01/24 22:00
#恋
あまり文章を書くのが得意ではないのですが、出来る限り投稿していきたいと思っています。
よろしくお願いします。
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