ダイヤモンドダスト

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 寒いのは嫌いだ。
 身を縮こませて雪道を歩く。凍った道は滑りやすく、ペンギン歩きと名付けられているらしい歩き方でよちよちと歩いていく。それでも滑るときは滑るので、自然と視線が足元に集中していた。
 自分の吐く息で視界が白く曇り、マフラーがずれて首もとから冷たい空気が流れ込む。手袋をしていてもかじかむ手を持ち上げてマフラーを直し、口元まで覆い隠してため息を吐いた。
 ふと、ちらりと視界に光るなにかが目に入って目線を上げた。

「あっ」

 思わず声が出た。雪ではない、天気は快晴で何も降っていないのに、空気中のいたるところが光で反射してキラキラと輝き踊っている。
 直したマフラーが再びずれたことにも気づかずしばらくその幻想的な光景にみとれていたが、我に帰って足を動かす。しかし目の前に広がる世界からは目を離せなかった。

 寒いのは嫌いだ。

 でも、そこでしか見られない景色は美しかった。
青春
公開:20/01/21 13:48

つしまいたる( 東京 )

短編を書くといいとハウツー本で読んだものの全く書けず、悩みに悩んでたらこのサイトを見つけました。
覗いていって頂ければ幸いです。

ショートショートの難しさに直面してます。
青春と恋愛の違いがわかってません。

よろしくお願いします。

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