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幻の蝶といわれるクレハ蝶の鱗粉を生きた人間が舐めると不老不死になれる。
私はずっとクレハ蝶を探して、世界中を旅していた。
今は南国にいる。常夏の島だ。海を渡る湿った風がとても心地よい。
夕食後、デザートを食べている時だった。
ヒラリ、と白い体に透明な羽の大きな蝶が目の前を横切った。海の横にしつらえたテラスの明かりが蝶の輪郭を浮かび上がらせた。
クレハ蝶だ!
私は網を持って捕まえようとした。
しかしクレハ蝶は月の光の方、山の方へと飛び去ってしまった。
逃げられた。私は落胆する。あんなに近くまで来たのに。
机の上には食べかけのマンゴーとカットされたパイナップル。
よく見るとパイナップルが月の光を受けて輝いている。クレハ蝶の鱗粉がパイナップルに零れたのだ!
ああ、だめだ。どうしてマンゴーにつかなかった!島の人がくれたこのパイナップルは食べられない。
私は重度の、パイナップルアレルギーなのだ。
私はずっとクレハ蝶を探して、世界中を旅していた。
今は南国にいる。常夏の島だ。海を渡る湿った風がとても心地よい。
夕食後、デザートを食べている時だった。
ヒラリ、と白い体に透明な羽の大きな蝶が目の前を横切った。海の横にしつらえたテラスの明かりが蝶の輪郭を浮かび上がらせた。
クレハ蝶だ!
私は網を持って捕まえようとした。
しかしクレハ蝶は月の光の方、山の方へと飛び去ってしまった。
逃げられた。私は落胆する。あんなに近くまで来たのに。
机の上には食べかけのマンゴーとカットされたパイナップル。
よく見るとパイナップルが月の光を受けて輝いている。クレハ蝶の鱗粉がパイナップルに零れたのだ!
ああ、だめだ。どうしてマンゴーにつかなかった!島の人がくれたこのパイナップルは食べられない。
私は重度の、パイナップルアレルギーなのだ。
その他
公開:20/01/23 10:09
みづき りんねと読みます。
創作が大好きな主婦です。ショートショート小説を書くのがとても楽しくて好き。色々なジャンルの作品を書いていきたいなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
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