ビッグバンな家族

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一月の最終日。
僕は壁掛けカレンダーを一枚破った。
明日は父さんの誕生日だ。僕はサプライズで用意しているビックリ箱の中身がちゃんと出てくるか確認する。
絵が得意な母さんは毎年リビングのカレンダーの家族の誕生日の欄に当人の好きなものを描きその日付を彩っている。
僕は宇宙が好きなのでいつも星座や惑星を描いてもらっていて、
「あんたを産んだ日は親戚中大騒ぎでまさにビッグバンだったんだから!」
と、母さんは折に触れそう言って楽しそうに笑う。
さて、今年の僕のビッグバンの日はどんなイラストだろうとカレンダーを十一月までめくる途中、ふと、九月に目が留まった。
「あれ?九月に誕生日って誰かいたっけ?」
母さんはもう見つけちゃったのーと、顔を赤くした。
「その日はあんたの弟か妹が生まれてくる予定日なのよ」

僕は驚きの余り手に持ってたビックリ箱を落とすと、『誕生日おめでとう!』のバネがビヨーンと出てきた。
ファンタジー
公開:20/01/17 09:00
更新:20/05/06 04:37

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

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