ラングドシャ

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「猫の舌」? 納得できません。
「甘い匂いにウキウキしながらつまんだ途端、脆くも崩れ去ってしまう、という意味のオノマトペが名詞化したもの 類語;胡蝶の夢」
 とか事典に書いてあれば私は幸せだった。ランドグシャはどう聞いたって絶対に猫の舌にはそぐわない。
 外郎は元々苦い薬で、その口直しのために一緒に売られていた甘くて柔らかな和菓子があって、その薬が廃れてしまった後で外郎は和菓子の方を指す名称になった。みたいな逸話があってもいいほどに、このラングドシャという響きは素敵なのに。
 フラペチーノとか、マカダミアナッツとか、パイルドライバーとかくらいのパワーワードで、デスペラードとか、アビスとか、イントレランスとかいう、悲劇と神秘とを予感させる映画タイトルとしてもぴったりなのになんで「猫の舌」?
 という訳で私はフランスからドイツへ逃亡した。
 Katzenzungenというチョコがお気に入りだ。
その他
公開:20/01/20 11:31

新出既出

星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。

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