きづいてくれたね。

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「生まれ変わっても、また会おう」
最期に、あの人とそう約束した。

転生して数年で記憶を取り戻した私は、同様にこの世に生まれ変わっているはずのあの人を探すため、あちこち出かけまくった。
子どもなので限界はあったが、外出のチャンスがあればどこにでも行き、出会った人々をよく観察し、あの人を見つけようとした。
けれど、あの人はどこにもいなかった。

嫌だよ、せっかくもう一度生まれたのに、このまま大好きなあなたを見失ったままなんて…
落ち込んで家の庭の小さな木にもたれかかった。私が生まれた日に植えられたのだという木。どういうわけか、どんなに辛いことがあってもこの木に触れるといつも元気が出た。
ふと気付いた。幹の一部だけ、ちょうどハート型のように色が薄くなっている。
そういえば、あの人にもこれと同じ形の痣があった…

「何だよ、遠回りしちゃった…」
にじむ視界の中、私は木を抱きしめた。
ファンタジー
公開:20/01/19 22:38
見失う輪廻

PURIN

超ド級の素人です。他サイト様でも書かせていただいています。
Twitter @maybePURIN

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