アフレコ

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我が家には20歳を超える猫、長老がいる。長老は近所の猫達からも慕われ、毎朝長老に会いに近所の猫達が庭に集まる。
今日も長老がうなうにゃと言えば、猫達はそれを聞いていた。私はそれをアフレコしてみた。
「え~、人間の世界には早起きは三文の徳という言葉がある。三文だ。サーモンではないぞ」
『長老!サーモンは貰えないのですか?』
「ああ、だからこのニボシで我慢しなさい」
長老は餌箱からニボシを咥えるとそれを猫達に放った。まるで餌付けしているみたいだな。
猫達はニボシを美味しそうに食べている。
次の日、私は長老の餌箱にサーモンを混ぜた。はてさて、どんな反応するかな?
『それはサーモン!そいつを寄こせ!』
『これは俺のだ!お前はニボシでも食ってろ!』
庭で猫達の大乱闘が起こり始めた。
急いで止めに入る私を長老が睨みつける。
その目は「サーモンは猫仲が裂けるから避けていたのに…」と言っているようだった。
公開:20/01/20 18:34

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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