地獄絵図

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私は知っている。
パワハラ野郎で、何人もの部下の心を壊し退職に追い込んだ最低な上司が、ある物を見る度に顔が青ざめていることを…

その上司は事あるごとに自分の机に置いてある本を開き、「これ見てると気分爽快になるんだよな」そう言っていた。

ある日のこと、心身共に疲れ果てた部下が会社の屋上から飛び降りた。即死だった。
暫くすると上司の様子がおかしくなった。自分の机に置いてあるお気に入りの本を開くと顔面蒼白になり、そのうち本を開かなくなった。


午前二時、私は最近の日課を行う。
カンカンカン。
「よくも私の彼を自殺に追いやったな! 地獄に落ちろ! 地獄に落ちろ!! それまでは自分の地獄絵図の本を見る度に地獄を味わうがいい!!」
私は今日も憎っくき上司を思い浮かべ、藁人形の頭に釘を打ち付ける。

彼の死から四十九日後、あの上司もこの世を去った。
そして私も……地獄に落ちるに違いない…
その他
公開:20/01/20 15:57
更新:20/01/20 23:11

晶馨

令和1年大晦日からこちらで投稿しております。
令和2年6月から5ヶ月ほどお休みしてましたが、11月に出戻ってきました。
投稿頻度は遅いですが、自分のペースでゆっくり頑張ろうと思ってます。
現在、自宅がWi-Fiじゃないので返信は遅れると思いますが、色々感想など教えていただけると励みになりますので宜しくお願いします^^

(アイキャッチ画像が登録しても登録してもいつの間にか勝手に消えまして、今回は以前のプロフィール文まで消えました。自分のタブレットがおかしいのでしょうか。少々いや、かなり手間取っております(-_-;))

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