「外」と言われし者の集う場所

―本日はインタビューをお受けくださり、ありがとうございます。
「いえいえ」
―早速ですが、毎年この時期にはあの方々がお宅に集ってくるんですよね。
「そうですね」
―危ない目にあったことがあるのでは?
「いえいえ、そんな危ない方ばかりじゃないですよ。確かにたまに暴れてしまう方もいますが、丁寧に接していくうちにそういうことはなくなっていきますよ。少し時間がかかることもありますがね」
―辛くはないのですか?
「もちろん、楽しいことばかりではありません。大変なこともあります。けれど、だからこそ少しでも笑顔を見せてくれた時、こちらも幸せな気分になれるんですよ。
皆さん、『外に出ていけ』と追い出されて居場所を失ってしまった方達ですからね。こういう場所があってもいいと思うんですよ」

ちょうどその時、廊下をにぎやかな笑い声とともに、頭に角を生やした方々が歩いていくのが見えた。