元の木阿弥ならまだ良かった

鈴木財閥の当主が病に倒れた。
今が重要な時期で当主の不在が知れれば大変なことになる。
せめて生きてさえくれれば。そうだ！

俺は知り合いのマッドサイエンティストに頼んだ。
だが問題があった。
当主はもはや人間ではなくゾンビそのものだったのだ。
皮膚は緑、目は虚ろで「かゆ、うま……」と呟くのみ。
なんとか隠しているが役所も怪しみだした。
このままでは死亡扱いにされてしまう！

そうだ！　サイボーグなら人間扱いされる法案が通ったはず。
悪いところだけロボット化すれば、えっいいところなんて殆どない？
いっそ全部ロボットにして、ロボットも人権を認めるようにしてしまえ！

だが当主がロボット化したのを知った他の後継者たちは裁判に訴え、
多額の金額を投じてこちらの妨害を始めた。俺も負けじと多額の資金をつぎ込む。


裁判に勝ったが資産は無くなり後には役立たずの当主ロボットと借金が残された。