帰省
48
17
幼い頃に両親を亡くした俺は叔父夫婦に育てられた。
貧しい生活だったので家を出てすぐに就職した。申し訳なさをずっと引きずり帰るのをためらっていたが、最近は頭が呆然とし、何か忘れている気がして数年ぶりの帰省を決意した。
叔父夫婦と従兄弟の浩二は元気なのだろうか?
近づくにつれ懐かしい風景が広がる。
家は留守だったが鍵の隠し場所は覚えていたのであがって待つことにした。
すると懐かしい柱時計の音と古い家の香りで心の奥底に眠っていた記憶が蘇り俺は身を裂く怒りで嘔吐しながら怒鳴った!
ロクに飯も食わせず何度も俺を殴りやがって!俺の親の保険金で浩二にだけ洋服を買い、俺に五つも年下のお古を着せやがって!
思い出したよ。
叔父さん!叔母さん!浩二!久しぶりだねぇ!
俺はスコップでこじ開けた床板の隙間から話しかけた。
懐かしい湿った土の香りがした。
柱時計は止まり俺の歯ぎしりと骨を砕く音だけが響いた。
貧しい生活だったので家を出てすぐに就職した。申し訳なさをずっと引きずり帰るのをためらっていたが、最近は頭が呆然とし、何か忘れている気がして数年ぶりの帰省を決意した。
叔父夫婦と従兄弟の浩二は元気なのだろうか?
近づくにつれ懐かしい風景が広がる。
家は留守だったが鍵の隠し場所は覚えていたのであがって待つことにした。
すると懐かしい柱時計の音と古い家の香りで心の奥底に眠っていた記憶が蘇り俺は身を裂く怒りで嘔吐しながら怒鳴った!
ロクに飯も食わせず何度も俺を殴りやがって!俺の親の保険金で浩二にだけ洋服を買い、俺に五つも年下のお古を着せやがって!
思い出したよ。
叔父さん!叔母さん!浩二!久しぶりだねぇ!
俺はスコップでこじ開けた床板の隙間から話しかけた。
懐かしい湿った土の香りがした。
柱時計は止まり俺の歯ぎしりと骨を砕く音だけが響いた。
ホラー
公開:20/01/19 05:10
更新:20/02/08 15:33
更新:20/02/08 15:33
創作活動はこちらのショートショートガーデンが初めてです。令和元年12月31日から投稿開始しております。
勉強になりますので、どのようなことでもお気軽にコメントいただけると嬉しいです。厳しいご意見もお待ちしております。
どうかよろしくお願いいたします。
ログインするとコメントを投稿できます