言葉のノックアウト実験

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普段、当たり前のように使っている基本的な言葉を、あえて使わなかったら、どうなるだろう?

「波」が寄せてくる。

水面の凸凹が寄せてくる。

「火」を起こす。

熱を発する光の揺らぎを起こす。

「湯気」が立ち昇る。

透明な空気に溶け込んでいく白いもやもやとしたものが立ち昇る。

「木」が並ぶ。

地面からにょきっと勝手に伸びてきて、分岐しながら天を目指す大小さまざまな棒状の生き物が並ぶ。

「水」を飲む。

体をうるおす透明な液体を飲む。

「夜」になる。

空の明るみを失った時間になる。

「声」を聞く。

喉を通る空気に人が意味と力を加えて発する音色を聞く。

「土」を掘る。

茶色い小さな粒が、膨大な数で地面を埋め尽くしているものを掘る。

なんだか、感性が、赤ん坊に戻ったような気がする。
生まれて初めてそれを知ったとき、どれも私にとって不可思議な何かだった。
その他
公開:20/01/19 00:39
言葉 実験

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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