伝説のうさぎ

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「ねーねー、あの丘の上には伝説のウサギがいるんだって!」

同じクラスのとみちゃんが、大急ぎで駆け寄ってきた。

「ピンク色のウサギでね、ケンタも見たって。今日行こーよ!」

とみちゃんは、決まりね!と、肩をポンと叩いて走って行ってしまった。

丘の上には、見渡す限りの草原が広がっていた。

すると、さっそく目の前にピンク色のウサギが現れたのだ。

「あっ!ウサギ!」

その瞬間、ウサギが私に飛びついてきた。

「うわぁ!!」

そして、あろうことか、ウサギが私の腹の中に入ってしまったのだ。

「えぇ?!え!」

焦っている私を目がけて、とみちゃんが駆け寄ってきた。

「あ!ウサギだ!伝説のウサギ!」

私は必死で逃げた。逃げ切った。

それから三日が過ぎた。
とみちゃんは、もう来ない。ケンタも来ない。

私は、後悔の気持ちでいっぱいだ。

あの時とみちゃんに飛びついていたらよかった。
ホラー
公開:20/01/18 14:25

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