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知り合いからゼニアオイという花をもらった。フランス語でモーブというらしい。白地に鮮やかな紫色の花。いいの? と聞くと、それ以上ないというほどの満面の笑みで、もちろん! と言った。……少し怪しい気もしたが。
花は花瓶に入れて、テーブルに飾った。花が一輪あるだけで毎日が少し鮮やかになる。
白い花弁の上の紫色。まるで血管が這っているような模様だった。
数日後。
一人で晩酌をしながら花を眺めていると、視界が揺らいだような気がした。飲み過ぎただろうか。今日はもうやめておこう。そう思い立ち上がる。
ぐらり。
足が絡まってバランスを崩す。その瞬間だった。目を瞑った先の景色が紫色に染まる。花に喰べられたのだ、と瞬時に思った。この時点でもう正常な思考はできていないけれど。
しばらく眠っていたらしい。目を覚ますと、紫の花は人のように動いて私の背中をさすっていた。
大丈夫? と語りかけられたような気がした。
花は花瓶に入れて、テーブルに飾った。花が一輪あるだけで毎日が少し鮮やかになる。
白い花弁の上の紫色。まるで血管が這っているような模様だった。
数日後。
一人で晩酌をしながら花を眺めていると、視界が揺らいだような気がした。飲み過ぎただろうか。今日はもうやめておこう。そう思い立ち上がる。
ぐらり。
足が絡まってバランスを崩す。その瞬間だった。目を瞑った先の景色が紫色に染まる。花に喰べられたのだ、と瞬時に思った。この時点でもう正常な思考はできていないけれど。
しばらく眠っていたらしい。目を覚ますと、紫の花は人のように動いて私の背中をさすっていた。
大丈夫? と語りかけられたような気がした。
ファンタジー
公開:20/01/15 21:58
更新:20/01/15 22:03
更新:20/01/15 22:03
#いろのはなし
たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!
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