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「君って剣道やっていたんだ?どれくらい?中学から?じゃ、俺の方が長いな。俺は小学校からやっている」
知っています。私は先輩に憧れて剣道を始めたんです。先輩のいる大学を進学先に選んだんです。
「じゃ、君の実力を試させてくれ。俺に隙があったらいつでも打ち込んできていいぞ」
そう言って両手を広げる先輩に私は溜息を吐いた。
隙だらけだ。どこもかしこも隙だらけ。むしろ隙のない所を探す方が難しい。
ん?隙の中に一つおかしいものがあるぞ?
『好き♡』
えっ!?何これ?『好き』の上にハートマーク付き?
私は唾を飲み込むとその場所に攻撃を仕掛けた。
先輩は私の攻撃を軽くあしらった。
「予想通り隙めがけて飛んできたな。剣道は駆け引きも大切だ。隙があるからと言って簡単に飛び込むんじゃない」
先輩はたたらを踏む私を後ろから抱きしめた。
「恋も剣道も俺が教えてやるよ」
やっぱり恋も剣道も有段者の先輩には敵わないや…
青春
公開:20/01/15 19:08

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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