2
4

気晴らしにトレッキングに出かけた時の事だ。耳を澄ますと川のせせらぎが聞こえた。
私は音のする方に進み、その水と出会った。驚いたよ。喉越しの柔らかい最高の水だった。私はその水を持ち帰り、商品開発に活かそうと考えた。
だがふと思ったんだ。この川の源流はどうなっているんだろうって。
好奇心は猫を殺す。それが分かっていながらも私は上流に向かって歩き出した。
長い間歩き続けた。険しい道だったが私の好奇心が止む事はない。そしてつい辿り着いた。
そこは水飛沫に煙る滝。荘厳で神聖な雰囲気を醸し出している。
これ以上進むべきではない。
直感に従い、私は滝の水を頂くと会社に戻り商品開発を始めた。
それがこの『マタタビ酒』である。
こいつは猫専用の酒でね。作っているのも勿論猫だ。かく言う私も猫である。
寝てばかりいるそこの君。もし良かったら酒造りを手伝ってくれないか?
ウチは今、猫の手を借りたいほど忙しいんだ。
公開:20/01/16 18:45

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容