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デニさんは、軽く息を整えて説明を始めた。
「被害者はコークス・デュー。一応大学生だ。事件発生は6時頃。通報者は下にいた従業員だ。奥で仕事をしてたら二階から轟音が響き、続けて階段を乱暴にかけ降りる音を聞いたそうだ」
「逃げた奴の顔は?」
「見てない。後を追うにも、霧ですぐ見失ったとさ」
「通報の内容は?」
「男が殺されてると喚いてただけだ。で、駆けつけた俺が生存を確認した」
「聴取が続いてるのは怪しいから?」
「よく分かったな」
「第一発見者は第一容疑者だろ」
「それだけじゃないが、何か隠してるぜ」
疑わしきを嗅ぎとるデニさんの嗅覚はある意味わたし以上だ。具体的な根拠はなさそうだが、それに導くのが我々の役目だ。
「とりあえず、現場から何か持ち出してないか聞いてみるんだな」
「どういう事だ?」
「あれさ」「わん」
主人とわたしが示したのは、穿たれた壁の少し上に空いた、小さな穴だった。
「被害者はコークス・デュー。一応大学生だ。事件発生は6時頃。通報者は下にいた従業員だ。奥で仕事をしてたら二階から轟音が響き、続けて階段を乱暴にかけ降りる音を聞いたそうだ」
「逃げた奴の顔は?」
「見てない。後を追うにも、霧ですぐ見失ったとさ」
「通報の内容は?」
「男が殺されてると喚いてただけだ。で、駆けつけた俺が生存を確認した」
「聴取が続いてるのは怪しいから?」
「よく分かったな」
「第一発見者は第一容疑者だろ」
「それだけじゃないが、何か隠してるぜ」
疑わしきを嗅ぎとるデニさんの嗅覚はある意味わたし以上だ。具体的な根拠はなさそうだが、それに導くのが我々の役目だ。
「とりあえず、現場から何か持ち出してないか聞いてみるんだな」
「どういう事だ?」
「あれさ」「わん」
主人とわたしが示したのは、穿たれた壁の少し上に空いた、小さな穴だった。
ファンタジー
公開:20/01/15 12:01
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連載
事件
探偵
刑事
犬
まずは、こんにちは。
練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。
小説・脚本なども執筆してます。
【番号なし】 用語・設定解説
【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。
【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』
【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。
【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』
【001~】 短篇集『short TaleS』
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