入院について

　私は「なんか体調が悪い。風邪かな」と思い、かかりつけの個人医のところへ行った。
　診察結果は喘息による酸欠。血中酸素濃度八十パーセント。緊急入院することになってしまった。最初は入院と聞いてびっくりした。
　何の準備もできず救急車でどこかの総合病院へ連れられ、誓約書にサインさせられ、病室に押し込まれ、ベッドへ寝かしつけられた。
　いや、オレ、そんな大病じゃないんだけどと思ったが、医学上はそうでもないらしい。救急車で移動したため、入院した病院がどこのあたりにあるのかも分からない。訳のわからないまま点滴を打たれ、ベッドで大人しくするしかなくなっていた。
　その夜、消灯時間のとき、看護師が宿直の挨拶に来た。
「今晩担当する吉崎です。よろしくお願いします」
「オレより顔色悪いな。代わってやろうか」
　と言うと、看護師は苦笑いだけで応えた。
　看護師の皆さん、くれぐれも健康にはお気を付けください。