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 冬の夜明け前。私は燃えるゴミを出そうと、イヌマキの垣根の道を歩いていた。唐突に、甲高い破裂音と、荒い息遣いのような音がこだました。私はぐらぐらと身体を揺さぶられ、凍りついた朝に亀裂が入っていくのを感じた。その直後だ。垣根から雄雉が飛び出していき、それに続くもう一羽の雄雉と目があった。
 初めの雄雉が電線を越える光景と、垣根の内側にいる雌雉の嘴が開いて「カッ」と気炎を放つ光景と、その気炎が二羽目の雄雉の尾羽に燃え移る光景とが同時に見えた。寒暁の空を、炎に包まれた雄雉が初めの雄雉を追いかけ、紅蓮の炎が降り注ぐ。それは直下の雌雉と我が家とに飛び火した。
 私はとっさに雌雉の首を掴んで、出窓で頬を橙色に染めてこちらを見ている妻の所へ駆け戻った。
 部屋へ飛び込むと、妻が「綺麗な朝焼けね」と私を見て、「ゴミを出しに行ったんじゃなかったの?」と笑った。
 私はゴミ袋をつかんだままだったのである。
ファンタジー
公開:20/01/14 17:10

新出既出20( 浜松市 )

新出既出です。
twitterアカウントでログインしておりましたが、2019年末から2020年年初まで、一時的に使えなくなったため、急遽アカウント登録をいたしました。過去作は削除してはおりませんので、トップページの検索窓で「新出既出」と検索していただければ幸いです。新出既出のほうもときおり確認したり、新作を挙げたりします。どちらも何卒よろしくお願いいたします。
自己紹介:「不思議」なことが好きです。

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